NEWS-e:2007年10月5日号
「葉隠入門」と「オープンソースの逆襲」
いま、三島由紀夫の「葉隠入門」を読み直しています。学生の時に感銘を受け、以来十数年ぶりです。本書は、佐賀藩士・山本常朝の語りを編纂した「葉隠聞書」を三島が解説したものです。
私は、定期的に本を読み直すようにしています。本を読み直すという行為は、自分の変化を知り、自身をかえりみる契機になると思っているからです。
江戸中期に書かれた「葉隠」を、あるいは三島の考えを、いまの自分がどう感じるのか、楽しみに読んでいます。と、理由づけしていますが、ただの本好きのたわ言かもしれません。
さて、話は変わって、9月上旬に発刊した「オープンソースの逆襲」のという本のご案内です。著者は、Linux界のマドンナとの異名を持つ、京都ノートルダム女子大学准教授の吉田智子先生です。企業勤務の経験もあり、オープンソース、情報教育のエキスパートです。
オープンソースとは、多くの場合は秘密にされているソフトウェアのソースコード(設計図)が公開され、誰でもその改良、再配布が行えるようにすることや、そのようなソフトウェアのことを指します。今日のインターネットの礎を築いたのもオープンソースで、いまではネット上のあらゆるサービスや、家電製品のOSなど、さまざまなものに利用されています。
ウィキペディアやグーグル、セカンドライフなどの身近な、最先端の現象を紹介しながら、オープンソースを切り口に、ネット社会を縦横無尽に読み解いています。
これを読めば、ネット社会に何が起き、今後どうなっていくか、すんなりと理解できること請け合いです。
タイトルをみて、難しいのでは? 関心がない…と思われる方もいらっしゃるかもしれません。が、じつは、読みやすく、ネット社会のことを語りながらも、我々の実生活と重なる部分が多いと感じるはずです。京都新聞9月30日「本を語る」、日経コンピュータ9月17日号、YOMIURI PC11月号にも取り上げられ、評判は上々です。
好評発売中!「オープンソースの逆襲」