• 2009年度新卒採用のご案内
  • 社史の泉
  • 社史制作のレベルアップ 社史編集室
  • アーカイブサービス
  • リリーブ
 

FAXマガジン

 
第4号

著者の収入は印税だけではありません! でした

弊社の著者で、福永正三さんという方がおられます。1938年、滋賀県生まれですから、現在67歳。丁稚奉公されていた他社を経由して、66年に京セラ蒲生工場に入社。以来技術畑を歩み、総技術部長を経て、87年に前富岡光学(現・京セラオプテック)に入社。常務、専務を経て98年に社長になられ、毎月1億円の赤字の会社を、月1億円の利益がでる会社に再建された方です。

同社を退任されたあと、京セラグループ会社の顧問をされていた時に当社と出会い、経営体験を出版したい、というお話で弊社のライターが2ヶ月あまり、ご本人にインタビューをして原稿をまとめ、04年7月に出版しました。書籍が完成してまもなく200名ぐらいの出版記念会を催し、しっかりPRをしまして、いよいよ書店発売。京セラでは名誉会長の稲盛和夫さん以外の人が本を出したのは無かったので評判になり、初版の8,000冊が現在残すところ600冊になりました。

もちろん、著者には初版部数に応じた印税が入ったわけですが、それだけではありません。出版以来、全国各地からの講演依頼が殺到。今では月に15回の講演で飛び回っておられます。それはそれは、うらやましい講演料生活。しかもたいていはアゴ足つきの全国行脚ですから皆さまご想像のとおり。各地の中小企業経営者たちから「先生!」と呼ばれて講演し、その後は各経営者からの悩み相談やら経営相談で、しばしの時間を過ごされるわけです。

いま、単行本の平均初版部数は約5,000冊。実際のところ、書籍の印税といいましても、仮に1,400円の本で印税を8%もらったとしましても、5,000×1,400×0.08=56万円。しかも、全部売り切ってのお話ですから、もともとたいした金額ではないのですよね。

それに比べて講演料はすごい。一回で安くて10万円。福永さんは相手が経営者ですから、もっといただけるでしょう。それが月15回となりますと・・・! すごいでしょう。これって、サラリーマンとしては、理想的な定年後の生活ですよね。だれしも、60歳を過ぎると今までの経験にすくなからずの自信があり、それを周囲や後輩に伝えたいと思うのは一般的です。ましてや見ず知らずの人たちがお金を出して、講演を聴きに来てくれる、となりますと、やりがいがありますね。しかも、それにかなりの収入がついてくるとなりますと願いと、実益がともない、さらには「先生」という肩書きも着く。

本を書く時の一つの工夫としては、「セミナーのテーマになりそうなネタを選ぶ」ということも、著者の戦略としては大事です。呼ばれてする講演は、いわば出演料をいただいて堂々と自分と自社の宣伝ができるわけですから、効率の良いことこの上なし。いまや、セミナーばやりで、企画や主催する会社、そして講師の派遣をしている会社もたくさんありますから、変なテーマ、人気のないテーマさえつけなければ、講演企画をとることはそんなに難しいことではありません。

「そうだ、本を出そう!」と決意する前に、まずは戦略を練ってください。

1.どのようにして自分を世に出していくのか 2.自分の体験をいかに一般化して人に語るか 2.人前で120分の話ができるネタは何か 3.コンサルにつながるテーマの設定をする。

単行本の出版は、あらゆる全国メディアの中で、もっとも安価な媒体です。単行本は北海道から沖縄までの書店で買えるので、地元のミニコミ誌とは違った効果と役割が得られます。それをスタートラインにして、自分をプロデュースしてゆく視点と計画が必要です。そのためにも自身を客観視することから始めましょう。また、出版社は、ここまでの視野があるところを選ぶ必要があることも、加えておきます。

えっ?「自分で自分を売り込むのは苦手」ですって? 残念ながら、そういう書き手さんは淘汰される時代です。名刺に自分の写真を刷り込んで、白い歯を見せてニコッ、ぐらいできないと生き残れませんよ。自分のプロデュースはそういうところから始まります。もっと詳しく聞きたい方は、ご一報下さい。