• 2009年度新卒採用のご案内
  • 社史の泉
  • 社史制作のレベルアップ 社史編集室
  • アーカイブサービス
  • リリーブ
 

FAXマガジン

 
第30号

二匹目のどじょうを狙え! 書店で目立つ販売戦略とは

先日、ある講演会で某大型書店の店長さんが「ビジネス書の中で売れ行きがい いのは、若手ビジネスマン向けの自己啓発ものと、読み書きそろばんを上達さ せる企画だ」と語っておられました。

さおだけ屋がなぜ潰れないのか? 社長の ベンツはなぜ4ドアなのか? といったやさしい会計の本は“そろばん”の良い一 例です。本を売るためには、そんな売れているジャンルに特化するという工夫も あるでしょうが、売れている書籍のタイトルにあやかる方法もあります。ぶっちゃ けていえば二匹目のどじょうですね。今回はそんな二匹目のどじょうのお話です。

今更言わずもがなですが、『さおだけ屋〜』、『社長のベンツ〜』が売れています。会計について、労力をかけずに、楽しく理解したいというビジネスマンが多いからなのでしょうか。また、なぜか人事関係の書籍からもヒットが生まれています。『若者はなぜ3年で辞めるのか? 』 はその代表でしょう。この本がヒットしたことから、3年をキーワードにした書籍がいくつか発刊されています。実は弊社からも『できる若者は3年で辞める!』という書籍が3月末に発売されました。正直申しますと、やはり二匹目のどじょうを狙ったタイトルであることは間違いありません。ただ、今のご時世どんなに原稿が優れていてもヒットするとは限りません。何らかのきっかけがないと、購入どころか手にとってもらうことすらできないのです。

実際原稿は、次々に部下が辞めていってしまう現状を嘆く上司、人財育成に頭を悩ます経営幹部に間違いなく大きなヒントを与えてくれるものでした。

著者である久野康成さんは、経営やIPO、人材育成などのコンサルタントをおこなう傍ら、自らのコンサルティング内容を自社の社員に施したところ、わずか3年弱で会社を社員6名から300名にまで飛躍的に拡大させた実績の持ち主です。それだけに説得力があり、間違いなく売れる要素は持ち合わせていました。

ただ編集としてはなんとかして書店で手に取ってもらえる努力をしなくてはなりません。

読者対象と考えられる30〜40代の男性に人気のある中村純司さんのイラストを装丁に用い、少しでも多くの人に手にとってもらえるような工夫を施しました。 ただそれでは不十分です。そこで、敢えて二匹目のどじょうを狙ったわけです。発売前に書店から注文をとるわけですが、その際「似たようなタイトルの書籍が売れていますね」という反応が返ってきました。まさにこちらの狙い通りでした。それは一匹目の書籍の横に平積みで置いて販促をしてみようという心の現われだからです。

おかげ様でアマゾンや紀伊國屋などでベストセールスを記録するまでになりました。

まだまだ売れ行きは衰えておらず、第3刷も見えてきました。編集をした身としても期待が膨らむばかりです。どんな作品に対しても、出版社はこのような工夫をしているのです。書籍を手に取りましたら、編集がどんな工夫を施しているのか想像しながら読んでいただくと、本を読む楽しみも増すのではないでしょうか?