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FAXマガジン

 
第22号

地道な広告効果の測定が売上を伸ばす!

近年、出版界を賑わしているブログ発の単行本。ドラマにもなった『電車男』や『実録鬼嫁日記』をはじめ、眞鍋かをり、中川翔子といったタレントもの、『タタキツクルコト1/1スコープドッグ制作日誌』といったマニア向けのものまで、実に多くのブログ本が出ています。

素直にいいなあと思える面白い本もあれば、ブログでやめておけば…といった質の低い本もあり、粗製濫造の様相を呈しています。

こうしたことを背景に、出版への近道とばかりに、最初から書籍化を意識したブログもちらほらと見受けられます。

来年一月のドラマ化が決まった話題のブログ『きらきら研修医』。ドラマが好評になれば、ブログ発の書籍人気に、さらに拍車が掛かりそう。

今回は、当社が実践している広告の費用対効果測定についてご紹介したいと思います。

広告費が潤沢にあれば、何週間にもわたって新聞の全五段広告を展開したり、ベスト企画(書店での売り上げランキングを意図的に上げる方法)と連動させて、「売れている!」という演出で、読者の購買意欲を促せばいいのでしょう。

しかし、そういう大盤振る舞いができる企業は限られています。少ない予算でより効果的な広告媒体を打つために、何らかの方法を使って広告の費用対効果を測定することが必要になってきます。

「ある単行本の広告をA紙に掲載したら売上が伸びた」といったノウハウの蓄積が必要だからです。

ところが、新聞や雑誌に載せた広告の効果を把握することは容易ではありません。できることといえば、出版社に直接電話やFAXで注文が来た直販の数字を把握すること。広告が出る前と後とでどのように変化したのかをエクセルで集計することぐらいでしょう。

当社では電話とFAXに加え、ヤマトブックサービスとの連携によるオンライン注文も受け付けていますので、ブックサービスから送られてくる毎月の売上データも参考にしていますが、書店での実売数がわかりません。

そこで当社の場合、紀伊国屋書店のパブラインを利用しています。パブラインは、紀伊国屋書店全店の実売データを、Web上でリアルタイムに見ることができるものです。

紀伊国屋全店、あるいは各店ごとに集計したり、書籍ごとに日別、週別、月別で集計してグラフにしたり、客層別に年齢や性別を比較したりすることもできます。このパブラインを使えば、広告が出る前後の売上数値の変化を実売部数で知ることができます。

一方、最近普及しているネット広告は、費用対効果測定との親和性が非常に高い媒体といえます。

なかでも、ヤフーのオーバーチュアや、グーグルのアドワーズといった、検索連動型広告は優れものです。キーワードごとの閲覧数や、クリック数、クリック率を毎日確認できるので、仮に新聞広告を出している場合、掲載翌日の各数字が跳ね上がったりするのが見えて、その効果を実感することができます。

このほか、ホームページのアクセスログ解析も重要な効果測定方法。広告掲載を境に、ホームページへのアクセス数が増えていないかどうかをチェックすることで、一定の広告効果を測ることができます。

こうした様々な広告効果測定を地道に繰り返すことで、次の広告展開の戦略を練るとともに、増刷のタイミングを計るのに役立てたり、別の企画を立案する際の貴重な資料になったりします。