• 2009年度新卒採用のご案内
  • 社史の泉
  • 社史制作のレベルアップ 社史編集室
  • アーカイブサービス
  • リリーブ
 

FAXマガジン

 
第21号

クリエイター宿命の企画立案
その原点を見直す!

現在、どのような本が読者に喜ばれるのか? どんな本が必要なのか? などなど……。

編集者に限らず、クリエイティブ関連の仕事に就いている人なら誰しも頭をかかえているだろう企画立案。そのネタもとは、たいてい新聞やテレビ、雑誌、インターネット等からヒントを得ているのではないでしょうか。

「ベストセラー」と呼ばれる本を作り出した編集者や著者も入口は変わらないようです。

このような二次情報を独自で調理し、たたき台となる企画書を作り、ブラッシュアップしていく。しかし、その裏側には常日頃からの努力と、豊富な経験が必須条件。その地道な積み重ねこそがヒットの鍵を握っているのだ。

企画を考える上で、まず何から始めるでしょうか?

「企画会議が近いから、そろそろ企画の二、三本でも考えるか」と重い腰をあげて、机の上で新聞や雑誌、インターネットで探すタイプ。はたまた、外出して、散歩や食事、ショッピングなど、頭の中を真っ白にさせて、人や物など目につくものをヒントに、アイデアを浮かばせるタイプ。普通のサラリーマン編集者であれば、理想は後者、現実は前者という人が多いのではないでしょうか。

しかし、売れている雑誌の編集者、ベストセラーを生んだ書籍編集者、そして売れっ子著者は、後者が多いようです。

私の知り合いも午前中はジムでトレーニング、午後から出社して作業に入るというスタイルで、ヒットメーカーとして大活躍しています。「企画は机の上では生まれない。編集者は足で稼いでなんぼっ!」という某有名出版社の編集者の言葉もあります。ちょっと古臭いと感じる人もいるかと思いますが、これが一番のヒット作を生み出す近道なのです。

しかし、企画をいざ考えるといってもその情報源が必要です。オリジナル性の高い企画を考えるにしても、あらゆるジャンル、あらゆるテーマの本がすでに出版され、完全オリジナルなんてものは、まず見つかりません。そこで、すでに出版されているものを手本に、それをいかにアレンジするかがポイントとなってきます。

例えば、児童書においても大人の本を子供向けにアレンジするケースも数多く見られます。すなわち、アレンジの仕方がオリジナル性の高い企画となるわけです。

またこのような二次情報をアレンジすることもひとつの手ではありますが、何よりも重視しなくてはならないのが、人との会話から出てくる一次情報です。

著者や編集者との雑談、食事やお酒の席での会話などなど……。コミュニケーションから得られる情報。そういったリアルな情報は、その場にいる人たちだけのもの。そこで生まれる企画は、その場にいる自分にしかできない。そこに、自分にしか思いつかないオリジナル企画があるのだと思います。

何よりも大切にすべきことは、著者と編集者との付き合い方。それさえ大切にして、努力していけば、あとは信頼を勝ち得ていくだけです。

企画の基本は、いかに人と会って、いかにインプットをたくさんできるかが、ヒットにつながる大きなヒントになると思います。

締め切りに追われ、あっという間に終わってしまう毎日。クルマと一緒で、多少の「遊び」がないと、最高のパフォーマンスが発揮できないのではないでしょうか。