FAXマガジン
出版の近道!売れる力を洗い出す!自分の人脈・ルートを票読みする
こう暑い毎日が続くと、クーラーなしでは生きていけませんね。 でも、つけぱっなしにしていますと、温暖化に拍車がかかるので、こまめにつけたり、 消したりしています。
また、オフィスの中では、クールビズが今年は流行っていますが、この暑さが毎年続くなら定着するでしょうね。
『夏季限定!今年のクールビズファッション』というムック本を来年の春に出したら売れるかもしれません。
さて、今回のテーマは、出版社への企画の売り込み方です。
もし、自分に売れる企画や原稿があると思われるなら、出版社に企画や原稿を持ち込んでみましょう。
編集者にとって一番ありがたいのは、原稿がすでにあることです。これは、出版社側に商品の素がそこにあるので、とても判断しやすいわけです。その原稿を商材としてみますので、文章の上手下手より、素材がよければOKなわけです。
次に、良いのは、企画書とサマリーをつけたもの。もう、すでに何冊か本を出されている「著者」の方なら、企画書の善し悪しだけでも判断できるのですが、まだ本を1冊も出されていない方は、少し内容がわかるようなサマリーがあればベターです。編集者が不安なのは、企画はいいのだけれど、この人本当に書けるの?―という未知数。書いたことがない人でも、自分で書ける!と言われるケースが非常に多いのですが、挫折されるケースもまた多いのです。サマリーや書き出し原稿が数枚あれば、大体の筆力も推しはかれるというもの。
3番目は企画書だけという場合ですが、この場合は自分の専門分野やビジネスでかなりの実績があればOKです。もし、特筆すべき実績がないのなら、企画書郵送だけではダメで編集者に面談を申し込んで、自分の熱意をわかってもらうしかないと思います。企画書で是非ほしいのは、仮目次。コンセプトは大抵書かれていますが、仮目次がないと本の中身がイメージできないことが多い。章レベルのアバウトなものでも、あれば少しは本のイメージがつかめます。
決め手は、自分でもこれだけ売れるという冊数をいうこと。例えば、1000冊自分で売れる自信のある方は強い。人脈が1000人いれば、1人1冊でも1000冊。要は自分の人脈や所属する団体など、直接著者が売る対象やルートをどれだけ持っているかは、本を出すのに大きなポイントです。選挙のように一度自分で票読みをしてみてください。
当社で出版された、営業に強い経営コンサルタントのKさんは、セミナー等で、4000冊も売られています。Kさんにとっては、セミナーのテキストでもあり、かつ名刺代わりのPR本の役割をも果たしているようです。
また、ある大企業の子会社へ出向し、会社を再建されたFさんは、その体験をもとに、経営者が集まる塾や企業に招かれて講演をし、自ら500冊以上を売られました。その塾からも販売斡旋をお願いして1000冊以上、また、在籍された関連会社等からは約1000冊。あと企業の研修用にも採用されて1100冊。その他にも口コミで何百冊も売れました。もちろん、ここまで話題を呼ぶと書店でも好調な売れ行きでした。編集者は、書店売りと直販見込みの二つを考えて、何冊売れるか予想し採算のシミュレーションをします。
店での販売は編集者サイドで予測しますが、直販見込みは、著者の人脈や団体などに売れるルートがあるか、あるいはセミナーや講演でも売る気があるかなど、票読みする情報を教えていただく必要があります。これが出版のハードルを下げるキモでもあるわけです。つまり、書店で何冊くらい売れるという話しは編集者に任せ、「私ならこれだけ売れます」というのが出版の近道です。特に初めて本をだす方には、この意気込みが必要な気がします。
実際原稿は、次々に部下が辞めていってしまう現状を嘆く上司、人財育成に頭を悩ます経営幹部に間違いなく大きなヒントを与えてくれるものでした。
著者である久野康成さんは、経営やIPO、人材育成などのコンサルタントをおこなう傍ら、自らのコンサルティング内容を自社の社員に施したところ、わずか3年弱で会社を社員6名から300名にまで飛躍的に拡大させた実績の持ち主です。それだけに説得力があり、間違いなく売れる要素は持ち合わせていました。
ただ編集としてはなんとかして書店で手に取ってもらえる努力をしなくてはなりません。
読者対象と考えられる30〜40代の男性に人気のある中村純司さんのイラストを装丁に用い、少しでも多くの人に手にとってもらえるような工夫を施しました。 ただそれでは不十分です。そこで、敢えて二匹目のどじょうを狙ったわけです。発売前に書店から注文をとるわけですが、その際「似たようなタイトルの書籍が売れていますね」という反応が返ってきました。まさにこちらの狙い通りでした。それは一匹目の書籍の横に平積みで置いて販促をしてみようという心の現われだからです。
おかげ様でアマゾンや紀伊國屋などでベストセールスを記録するまでになりました。
まだまだ売れ行きは衰えておらず、第3刷も見えてきました。編集をした身としても期待が膨らむばかりです。どんな作品に対しても、出版社はこのような工夫をしているのです。書籍を手に取りましたら、編集がどんな工夫を施しているのか想像しながら読んでいただくと、本を読む楽しみも増すのではないでしょうか?