• 2009年度新卒採用のご案内
  • 社史の泉
  • 社史制作のレベルアップ 社史編集室
  • アーカイブサービス
  • リリーブ
 

FAXマガジン

 
第1号

単行本が生み出す年間3000万円の売上
ああ、ありがたい

皆さま、こんにちは出版文化社です。 今回を皮切りに、これから二週間に一回、出版企画の立案や、販売方法についての工夫・苦心、大成功したこと、ちょっと失敗したことなどをご紹介してまいります。皆さまが、よりよく単行本の出版に取り組んでいただけるよう、おもしろ話と企画のポイントなどをうまくまとめてお知らせします。今後のご参考になりましたら幸いです。

さて、今日は、当社が出版した『企業を活性化させる社史の作り方』という本の営業成績についてご紹介しましょう。

弊社・出版文化社は22年前に創業をしまして、そのころから様々な企業や団体の社史の制作に携わってきました。いまでは社史の発行点数は約350点となり、現在進行中の物件も50点ほどあります。出版業界における社史の過去10年間の実績ではいつの間にか日本でトップになりました。

2000年4月の初版発行で、すでに5刷・5000冊を超えており、この狭い分野において、当社内では隠れたベストセラーだろうと言い合っております。

弊社は、東京は読売新聞の子会社・東京読売サービス、大阪は朝日新聞の子会社・朝日カルチャーセンター、そのほかSMBCコンサルティングと提携して社史を作ってまいりました。その時々に、新聞社やカルチャーセンター主催の社史セミナーを行ってきましたが、その内容を整理し、まとめるという観点からの出版でしたので、どちらかというともとは内向きの本だったのです。

セミナーは約4時間のものですが、その中ではまったく話しきれませんので、社史について、そのときに私たちが話せるすべてのものを出すつもりで、セミナーで話をするタッチで原稿を書き進めました。

出版した直後から、この本を読んだ多くの方々より実際の社史作りの引き合い、問い合わせ、見積依頼が入り、それは年々増えてきました。同書は、今では弊社のカンバンの一つになっています。

本書を読んで社史作りについて学んでいただいたうえで、お問い合わせをくださったお客様は、弊社に好意をもっていただいているので、受注のかたいお客様なんですね。それはお会いしたときの先方の目を見るとわかります。目線の中に、すでに「敬意」があったり、「社史作りについて教えてください」(時に助けてください)という視線をビシビシ感じるわけですね。

そういうところから企画や営業に入ると、なんと話の進めやすいことか。はや出版から5年ほど経ちますが、年間で平均すると、3000万円ぐらいの営業成果が上がっております。ましてや、そういう本を読んでいただいたお客様は、社史作りに熱心な方が多いですし、一通りは勉強をされているので実際の社史の制作もスムーズに進むようです。

本を買っていただく、読んでいただくということで、選別にかけられるわけで、これは思わぬ効果でした。これに気をよくして、2年後には別にもう1冊、『よくわかる!社史制作Q&A77』という本を出版しましたが、これも今では3刷・2500冊を売っています。

たち自身がこういう出版の営業効果を体験しましたので、こういう手法をもっと多くの方々にお伝えしてゆきたいと思い、このようなファックスマガジンをお送りさせていただくようになりました。今では、本を読んでいただいた方々からのレスポンスをとれる仕組みも開発し、出版点数を増やしています。

実際原稿は、次々に部下が辞めていってしまう現状を嘆く上司、人財育成に頭を悩ます経営幹部に間違いなく大きなヒントを与えてくれるものでした。

著者である久野康成さんは、経営やIPO、人材育成などのコンサルタントをおこなう傍ら、自らのコンサルティング内容を自社の社員に施したところ、わずか3年弱で会社を社員6名から300名にまで飛躍的に拡大させた実績の持ち主です。それだけに説得力があり、間違いなく売れる要素は持ち合わせていました。

ただ編集としてはなんとかして書店で手に取ってもらえる努力をしなくてはなりません。

読者対象と考えられる30〜40代の男性に人気のある中村純司さんのイラストを装丁に用い、少しでも多くの人に手にとってもらえるような工夫を施しました。 ただそれでは不十分です。そこで、敢えて二匹目のどじょうを狙ったわけです。発売前に書店から注文をとるわけですが、その際「似たようなタイトルの書籍が売れていますね」という反応が返ってきました。まさにこちらの狙い通りでした。それは一匹目の書籍の横に平積みで置いて販促をしてみようという心の現われだからです。

おかげ様でアマゾンや紀伊國屋などでベストセールスを記録するまでになりました。

まだまだ売れ行きは衰えておらず、第3刷も見えてきました。編集をした身としても期待が膨らむばかりです。どんな作品に対しても、出版社はこのような工夫をしているのです。書籍を手に取りましたら、編集がどんな工夫を施しているのか想像しながら読んでいただくと、本を読む楽しみも増すのではないでしょうか?