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NEWS-e:2008年6月6日号

 
2008年6月6日号

「異文化に触れて」

出版企画部の清水克美です。前回に続き、北京研修旅行の話です。降り立った北京首都国際空港のスケールの大きさにまず驚きました。この規模の大きさが、中国での旅のスケールの大きさを予見させてくれるようでした。

北京はいまオリンピックに向けた各競技場や施設などの工事がラストスパート
の段階です。また最近の経済発展による住宅や、高層マンションの建設ラッシュ
も同時に進行していて、街は活気にあふれています。

そんな新しいビル建築の一方で、1400年代初めに作られた紫禁城、故宮博物館
をはじめ各地を見学し、この国の長い歴史を味わいました。特に「万里の長城」
はやはり圧巻でした。1600万人という人々が生活し、歴史のある文化と近代の
文化を融合させて生活している様子に触れることができた旅でした。

さて、今回の研修目的の1つに書店訪問があり、北京市で一番の王府井書店を
見にいきました。ビル一つが書店という大型書店です。中国の書店はほとんど
国営で、この書店も国営新華書店が経営する店です。

1階のメインに毛沢東、マルクスなど共産党関連の書籍が多く並んでいたところ
はいかにも国営といったところ。1階にはほかに、地図・ガイド、ビジネス、
経済、歴史、宗教書などが並べてあります。ほとんどの書籍がペーパーバックで、
値段も日本より20〜30%程度安いように思いました。

2階は学参、児童書の売場で、やはりペーパーバックが主流です。あまり創作物
の読み物がなく、ほとんどが昔話や名作の類です。中国も一人っ子政策の影響か、
学参の量の多さ、親子で真剣にドリルなど選んでいる様子は日本のそれに近い感じ
がします。

3階は文芸の話題書やベストセラーが並べてあり、5階はCDやDVDが大量に
置いてあるなど、以前の中国では考えられないいろいろな国の、種々のジャンル
の商品があって、共産国というイメージがいまや感じられません。

いかにも中国らしかったのは、ところかまわず床に座り込んで本を読んでいる
人がとても多いことです。特に学生が多く、中にはノートに書き込みをしている
人もいました。

「百聞は一見にしかず」日本を出て異なる文化に触れる機会を得て、久しぶりに
旅を満喫しました。皆様も是非思い切って旅行に行きましょう。

「今の日本はどこかおかしい」という不安や不信に対する途方もない原因を探っていく過程で、教育問題、地球温暖化、産業革命、江戸時代からの歴史、政治家、経済など、出てくる話は広範です。広範であるがゆえに、まわりくどく、ややこしい本になっていますが、橋本氏の他の著書と同様、その思考、切り口が魅力でもあります。

問題解決のための結論は、「産業革命前に戻せばいい」「江戸時代に戻せばいい」 「1960年代前半に戻せばいい」「国際競争力の観点から超高層ビルをなくす」など、いっけん荒唐無稽で、突飛なものばかりですが、変に説得力があり、考えさせられる内容となっています。

著者自身も「1960年代前半に戻す」は極端で、めちゃくちゃだと処理されてもいいと言っています。でもその中にひとつだけ真実があり、それは人類にとって惰性となってしまった“進歩”を、もう一度考え直すべきだ、というくだりは、感動的でさえありました。