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読者は子どもたち
大阪で最年少、出版企画担当の黒田です。
1月もこのくらいの時期になると、さすがに正月気分も抜けてきますね。ちなみに今年ひいたおみくじは「吉凶なし」。なんと中途半端な……。でも、これは気のもちようでいかようにもなると解釈して。
今回、自分が担当していた書籍がはじめて形になりました。
記念すべき一作目! といっても書店売りの本ではありません。学習塾の依頼で、小中学生の塾の生徒さんに配布用作った本です。基本的なコンセプトは、理系離れが進んでいる子どもたちにもっと科学の面白さを知ってもらう本。たまたま塾のなかに波について研究されている方がいらっしゃったので、「波」をテーマにわかりやすく楽しく読める科学の本をつくっていこうということになりました。
海の波、音波、電波、光の波、いろいろな切り口で波を取り上げてできた原稿。できたてほやほやの原稿を読めるのがこの仕事の楽しみです。でも、それをただ読んでいるだけでは一読者にすぎません。
今回の本は塾の生徒さんに科学に興味をもってもらうのが目的。小中学生にわかりやすい内容・文章である必要があります。しかし、わかりやすく書けば書くほど、同じ内容でも文章は長くなります。ところが、あんまりページが多くて分厚いと、それだけで子どもは嫌がってしまいます。子ども向けの本は、そこが難しいんです。
今回も案の定、最初の原稿は長くなってしまい、塾のほうからも「子どもが読みきるのにちょうどいい分量にして下さい」と言われました。
そこからが問題。一度できた原稿をどう短くするのか。まずは、自分が読んで難しいところは小中学生にも難しいだろうと削ってみる。でも、ただ削ると面白い箇所まで削れて、教科書みたいに無味乾燥になってしまう。じゃあ、もう一度ライターさんにわかりやすく書き直してもらおう。
そういった作業の繰り返しでした。1冊の本ができるまでには、企画者、編集者、著者などいろいろな関係者の緊密な協力が必要なんだなと実感しました。
そうしてできた、1冊の本。この達成感がたまりません。以前は書店という売る立場に関わっていた私ですが、実際作る立場になってみて、書店にたくさん並んでいる本の見方が変わりそうです。
今回の本は書店での発売はありませんでしたが、この経験をもとに、次は皆様の近くの書店で出会える本を作っていきます!