書籍の説明
希望 活力 誇り 安心 平穏 幸福・・・
人生設計の可能な国へ
社会・文化的視点から見る日本の現在と未来。国中に渦巻くさまざまな不安や不満。例えば、国の財政破綻、熾烈な低価格競争、製造業 の海外移転、デフレ、さらには人口減少、経済の縮小・・・・・
「経済・産業中心主義」「量的成長主義」の帰結として経済成長型モデルのデッドエンドを迎え、それに替わる新たな成熟社会型モデル が求められている。本書では、社会・文化的視点から、日本の現状を考察し、それを踏まえた新たな社会モデルの中核として「人間域」 ×「多層的自立社会」を提唱する。人生設計の可能な国を目指して、日本のシフトすべき方向性をコンセプトレベルで描く、まさに社会 人「必読の書」である。
(以下本書から)
岐路の自覚
この社会には、限界や最期を迎えたさまざまなモノやコトがあふれている。それらが経済活動や生活への浸潤という過程を経て、社会を 極限状況に導く。何がそれを引き起こしているのか、その正体の透察によって解決へ向けてのチカラが湧き上がる。
行方の設計
歩みを止めるのでもなく、過去へ戻るのでもない。過去、現在に続くやってくるであろう「未来」をメイルストロムのごとき正気を失っ たメガトレンドに翻弄されるまま迎えるのではなく、正体を知った今そのメガトレンドに別れを告げ、いち早く訪ねるべき未来を自らの 手で創造しなくてはならない。
目次
- 岐路の自覚
- 第一章 為される側の有理
- シフトについて
- 頭で感じて心で考える
- 一般人としての義務と権利
- 第二章 そこにあるもの
- 悩みの社会化
- 経済先進国だから起きるもの
- 破壊の病理
- 人間としての役割の分裂
- 第三章 立場の罪
- 資格という観点
- 不作為と作為
- 第四章 懲りない人間
- 過信・限界・強欲
- エンジェルとデヴィル
- 希望の設計
- 第五章 大切にするもの
- 質的成長主義
- 思考の転換
- 第六章 人間域を考える
- 副作用の少ない進歩
- 人のための社会
- 第七章 多層的自立社会の構想
- 選択できる生活の地
- 根のある暮らし
- 人々の期待と社会モデル
- 第八章 人生設計の可能な国へ
- トレンドの中の未来
- 暮らし先進国
著者プロフィール
三木 建(みき・ けん)
「思想論」「文化論」「変革論」を専門として大学院での指導と、「社会的価値と成長性の向上」を主題として企業での経営指導に携わ ってきた。 企業経営を事業経営と組織経営の二つの領域から成長に導くという組織経営論の提唱者。人と社会に基軸を置いた思想と理論 は広く支持され、先進的企業の経営に活かされている。