書籍の説明
病気を治すだけが医療ではない-。高齢者を診つづけてきた現役医師が、低下した生活能力を改善してよりよい生き方を目指す医療「慢性期医療」を、療養型病院、回復期病院、高齢者医療、障害者医療などの分野別に提起する。(「MARC」データベースより)
日本は、未だかつてどの国も経験したことのないスピードで、超高齢社会へと突入しようとしています。もちろん男女ともに平均寿命世界一を記録しています。日本が世界一の長寿国となった要因は、紛れもなく高度な医療技術と医療保険制度だといえるでしょう。
ただ、この高度に発達し細分化した医療は、寿命を伸ばす傍ら、最期まで人間らしく生き続けるすべは提供していません。つまり病気の治療はしても、自立するまでのケアはしてくれないのです。
著者の坂本勇二郎医師は、超高齢社会においては従来の病気を治すだけの医療(急性期医療)では寝たきりの高齢者を増やすだけだと断言しています。今こそ、高齢者に自立した生活を提供する医療、つまりリハビリテーションを中心とした慢性期医療が必要なのだとしています。
なぜ慢性期医療が必要なのか、高齢社会で慢性期医療はどのような役割を果たすのか、高齢者を寝たきりにさせない慢性期医療とは? この一冊で、これからの日本の医療のあるべき姿がわかります。
目次
- 序 章 病気を治さない医療
- 第1章 慢性期医療とは何か?
- 第2章 これからの医療
- 第3章 療養型病院
- 第4章 回復期病院
- 第5章 高齢者医療
- 第6章 障害者医療
- 第7章 問題と展望
著者略歴
坂本勇二郎(さかもとゆうじろう)
昭和31年 大阪府豊中市に生まれる
昭和50年 大阪教育大学付属池田高校卒業
昭和57年 日本医科大学卒業
昭和62年 日本医科大学大学院卒業
昭和57年 日本医科大学麻酔科入局
平成2 年 大阪大学整形外科入局
平成12年 篤友会総合坂本病院の院長に就任。
以来ラジオ等の様々なメディアで慢性期医療のエキスパートとして活躍中。