書籍の説明
今後「ジャーナリズムとは?」ということがますます問われていくことでしょう。その答えの一助になる1冊です。
本書は、大学で教鞭をとる著者が学生から「将来スポーツの報道に関わる仕事に就きたいのですが、何か良い本はありませんか?」と度々聞かれることがあったことがきっかけで生まれました。
活字のスポーツジャーナリストを将来目指す学生を対象にスポーツジャーナリズムの概要を解説し、スポーツジャーナリストという職業人像を紹介することを目的としています。
第三章では、現役スポーツジャーナリストのインタビューが掲載されており、スポーツジャーナリストを志す者には、先輩の生の声が聞くことが出来るようになっています。
ライブドアによるニッポン放送買収も一応の決着を見ましたが、今後「ジャーナリストとは?」「ジャーナリズムとは?」ということがますます問われていくことでしょう。その答えの一助になる1冊です。
目次
- 第一部 スポーツジャーナリズムとは
- 第一章:スポーツ・ジャーナリストへのきっかけ
- 一 昨今のメディア・スポーツの人気傾向
- 二 私のスポーツ・ジャーナリストとの出会い
- 三 楽しいスポーツ取材
- 四 スポーツ・ジャーナリストを目指す人たちへ
- 第二章:スポーツ・ジャーナリストのいま
- 一 国内プロ野球球団合併問題とグローバリゼーション
- 二 ヤンキースの松井の活躍が意味するもの-スポーツ・ビジネスのグローバル化戦略
- 三 グローバル感覚に欠ける国内の球団オーナーと 因習的・閉鎖的な国内スポーツ・ジャーナリスト
- 第四章:スポーツ・ジャーナリストの射程-五輪を軸に考える
- 一 政治とスポーツ・ジャーナリズム
- 二 経済とスポーツ・ジャーナリズム
- 三 文化とスポーツ・ジャーナリズ─日本文化としてのオリンピック報道
- 四 技術とスポーツ・ジャーナリズム
- 第五章:再びスポーツ・ジャーナリストとは
- 一 プロ野球再編問題再び-誰が周縁部に追い込まれる弱者なのか
- 二 プロ野球の構造的な経営問題とは
- 三 読売新聞対朝日新聞の代理戦争-スポーツがメディア政治に利用されるとき
- 四 球界再編問題への大手新聞社の報道姿勢、中立公正なスポーツ報道という幻想
- 五 プロ野球選手に無批判な国内スポーツ報道
- 六 スポーツ・スポーツジャーナリズムの浪速節好き
- 第二部 スポーツ・ジャーナリズムを考える
- 第六章:ジャーナリストとは、ジャーナリストとは
- 一 メディアとしての「紙」とジャーナリズムの関係
- 二 市民革命による社会の木鐸たる「ジャーナリズムの初期形成」
- 三 大衆酒場、パブとジャーナリズムの関係
- 四 表現の自由とは-詩人ミルトンという源流
- 五 ジャーナリズムとは、ジャーナリストとは
- 六 現代日本における、表現の自由・報道の自由
- 第七章:スポーツ・ジャーナリズムの系譜
- 一 国内スポーツ・ジャナリストの誕生
- 二 独立の不覊のジャーナリストの誕生
- 三 国内スポーツ・ジャーナリズムの黎明
- 四 教育と商業の発達とスポーツ・ジャーナリズム
- 五 メディア・イベントとスポーツ・ジャーナリズムの結びつき
- 六 現在のスポーツ・ジャーナリズムのまなざし
- 第八章:ジャーナリストとしてのスポーツ・ジャーナリスト
- 一 スポーツなるもの
- 二 スポーツ・ジャーナリズムとは
- 三 ジャーナリズムの機能とスポーツ・ジャーナリズム
- 四 ジャーナリズム観の比較-大手スポーツ紙の綱領と新聞綱領
- 五 国内スポーツ・ジャーナリズム批判への批判的考察
- 六 スポーツ・ジャーナリストとスポーツライターとの境目
- 第九章:スポーツ記事とは、その前提、要件、形態、特徴
- 一 ニュースとは
- 二 ニュースバリュー
- 三 記事の要件
- 四 記事の種類
- 五 付記-スポーツ報道写真へのまなざし
著者略歴
小田光康 おだ・みつやす
1964年生まれ。米ジョージア州立大学経営大学院修了(MBA)、東京大学大学院人文社会系研究科修了。早稲田大学スポーツ科学部兼任講師(スポーツ・ジャーナリズム論)。専門はパブリック・ジャーナリズム論、ジャーナリスト教育論。米デロイト・トウシュ、共同通信社、ロイター通信社を経て、パブリック・ジャーナリスト。00年度から03年まで、東大社会情報研究所newslab幹事、「情報メディア論」「ジャーナリズム演習(I)」などを担当。国内の会計基準問題の英文連載報道で98年、米ニューヨーク州公認会計士協会賞と米シルーリアン記者協会賞を受賞。共著に、『論争いま、ジャーナリスト教育』 (東大出版会)、『実践ジャーナリスト養成講座』(平凡社)など。