書籍の説明
京セラ稲盛哲学実践の書 月1億円の赤字会社を、月1億円の黒字会社にした男
推 薦
「心を治せば、改革ができる」
福永正三氏は、その一念をもちフィロソフィを携えて再建に成功した。
京セラ名誉会長 稲盛和夫氏
会社を再建するために、魂をこめた男がいる。
福永正三。
彼は月1億円もの赤字をだす会社に、50歳という年齢で赴任を命じられる。
そこは伝統的に労働組合が強く、経営者と従業員はバラバラで今にも沈みそうな船のようだった。福永は、孤立無援の中、稲盛和夫にたたき込まれた京セラフィロソフィを羅針盤として、再建という航海を始める。
「この会社は心が病気なのだ」と気づいた福永は、「心を治せば、改革ができる」と信じ、1週間操業を止め、社員全員と「自立自活していくためには何をすればいいのか」を心開いて語り合う。そうして出来た改革案「福永百箇条」が会社再建の原動力となる。ド真剣に再建に打ち込むこの福永の姿が、バラバラになっていた経営陣と従業員の心のベクトルを合わせた。
やがて、福永が赴任してから、2年10カ月後の9月、月に1億円もの赤字を出していた会社は、150万円の黒字を出す。その後、業績は鰻登りで好転を続け、6年で月約1億円の利益をだせる会社になり、8年後には年間売上74億円、利益11億4千万円をあげるという大変身をとげて、累積赤字を解消した。
この本は、会社再建にあたって、京セラフィロソフィという稲盛哲学を実践した男のドラマである。
目次
- [プロローグ]サラリーマンを超えた男、福永正三
- 第一章「孤立無援」―突然の出向を言われて
- 自問自答の日々
- 稲盛会長の思いが自分の心に入った
- 第二章「正々堂々」―心を治せば改革はできる編
- 日暮れの会社で
- この会社は心が病気だ
- 半日は挨拶、半日は掃除
- A専務、突然辞任する
- 朝礼の一時間前に管理者は出社せよ
- 机をくっつけただけの企画室が誕生
- 従業員宅の細すぎる大黒柱を見て
- すべての社員は食堂に集合せよ
- あんたらはホームレス以下や
- よその会社でアルバイトをした方がましや
- 組合との戦いが始まる
- 組合の親分と会合する
- 第三章「不撓不屈」―不可能を可能にする
- 私達が守らなければならない五つのこと
- 組合員を家に呼んで話す
- あなたたちを幸福にするために仕事をしている
- 自立自活のための組合とのやりとり
- 採算性を高める意識を持とう
- 京セラ以外の仕事をしよう
- 不可能の文字は忘れてしまう
- 組合の長をアメーバの長にする
- 値上げ交渉に奮闘する
- 福永は、京セラの人間ではない
- 第四章「免許皆伝」―経営は面白すぎる
- 仕事のなかに魂を入れる
- 富士山の見えるところに工場を建てよう
- 先を読み、見えるまで考える
- アメリカで商談、机を叩いて怒る
- 魂がしびれる仕事をする
- 免許皆伝と言われた夜
- 石ころがダイヤモンドになった
- 補章「自己を高めて」―人生とは種まき。よい種をまいて生きたい
- 〈付〉参考資料
- ・京セラオプテック関連年表
- ・京セラオプテック会社概要
- ・売上高の推移
- ・繰り越し利益・税引き前利益の推移
- ・時間当たりの推移
- 稲盛語録(抜粋)
- 索引