書籍の説明
20世紀は戦争の世紀といわれましたが、同時に難民の世紀でもありました。それは、戦争はすぐには終わらないものだからです。戦争は殺し合うむごさだけではなく、人々に不幸を長くもたらすものでもあると思われます。
本書は、難民となった家族の苦悩、人生の展望が開けない絶望感、その中でも必死に生きていく姿を、地を這うように、彼らと同じ目線にたって取材し、こどもから大人まで、難民について出来るかぎり、共感・実感できるようにと、人間味あふれたレポートと写真でまとめた渾身のフォトルポルタージュです。帯にはテレビキャスターで知られる筑紫哲也氏から推薦の文章をいただきました。
またこの本の収益金の一部が、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の難民支援プログラムに活用されます。
目次
- ルポ アフガン戦争と難民たち
- 序章 見捨てられた難民 アフガン難民
- 第1章 民族紛争、宗教紛争の虚構と難民 パレスチナ難民
- 概説◆パレスチナ難民/ルポ1 パレスチナ自治区のパレスチナ難民/ルポ2 ディアスポラのパレスチナ難民
- 第2章 戦争と難民 コソボ難民
- 概説◆コソボ難民/ルポ コソボ難民キャンプ
- 第3章 「民族」と難民 ボスニア難民
- 概説◆ボスニア難民 クロアチア避難民/ルポ ボスニア難民とクロアチア国内避難民
- 第4章 民主化と「難民」 インドネシア国内避難民
- 概説◆インドネシナ国内避難民/ルポ1 悲劇の島、マルク諸島の被災民/ルポ2 暴力にさらされるアチェの避難民
- 第5章 王国と難民 ブータン難民
- 概説◆ブータン難民/ルポ ブータン難民キャンプ
- 第6章 内戦と難民 カンボジア難民
- 概説◆カンボジア難民/ルポ カンボジア難民と地雷の村
- 第7章 飢餓と難民 朝鮮民主主義人民共和国難民
- 概説◆朝鮮民主主義人民共和国の飢民/ルポ 『飢民』の少年たち
- 第8章
- ルポ1 日本のアフガニスタン難民
- ルポ2 三つの祖国-朝鮮人元日本兵の遺言
- ルポ3 残留孤児の見た日本
- 終章
- 共存の可能性